ネット上のオカルト掲示板やSNSでは、「大六天神社は魔王を祀っているから怖い」「祟られるのではないか」といった根拠のない噂が散見されます。しかし、これは歴史的背景の無理解による明確な誤解です。
日本の神道には、荒々しい力を良い方向へ転化させて崇める「祟り神の昇華」という知恵が一貫して存在します。菅原道真公を祀る天満宮や平将門公を祀る神田明神と同様に、強大な力を持つ存在だからこそ、敬意を持って誠実に手を合わせることで、何よりも心強い味方となってくれるのです。決して参拝者を無差別に呪うような存在ではありません。
また、表記の揺れに関しても誤解が生じやすい点です。歴史的経緯や地域の伝承により、「大六天」「第六天」「大禄天」「大録天」など様々な漢字が当てられていますが、根本的な信仰の源流は同一です。江戸時代の庶民が「大いなる禄(幸福・富)を授かる天」として縁起の良い文字を当てた例もあり、人々に愛され親しまれてきた歴史の証左と言えます。