特権があるとはいえ、すべての金星力士が親方になれるわけではない。年寄名跡の空き状況や資金的な問題で、廃業(協会を去ること)を選ばざるを得ないケースも後を絶たない。相撲界という特殊な世界から一般社会への転身は、想像を絶する困難を伴う。
伝統的な選択肢としては、ちゃんこ鍋店の経営や、警備会社、スポーツジムのインストラクターなどが挙げられる。しかし、近年は飲食業界の競争激化もあり、かつての知名度だけで店を維持するのは容易ではない。金星獲得という栄光の記憶が、逆に「元有名力士」としてのプライドとなり、新たな仕事への適応を阻む心の壁になることもあるという。