Q1:たこつぼ型心筋症を発症すると、その後の寿命は縮まってしまいますか?
A1:急性期の合併症(ショックや致死性不整脈)を乗り越え、心機能が正常値まで回復すれば、心筋組織が恒久的に壊死するわけではないため、直ちに寿命が縮まることはありません。ただし、再発リスクが年1〜2%程度あるほか、身体的疾患が基礎にある場合はその管理が重要になります。循環器内科での定期的な経過観察を怠らなければ、発症前と変わらない健康寿命を保つことが可能です。
Q2:嬉しいことや感動的な出来事でも「たこつぼ型心筋症」を発症することはありますか?
A2:はい、発症します。悲しみや恐怖だけでなく、宝くじの高額当選、サプライズパーティーの驚き、応援するスポーツチームの劇的な勝利といった極度の歓喜や興奮によってカテコラミンが急増し発症するケースがあり、医学界では「ハッピーハート症候群(Happy Heart Syndrome)」と呼ばれています。感情の方向性がプラスであっても、心臓に対する神経刺激のインパクトは共通しています。
Q3:心筋梗塞と診断された後、カテーテル室で「たこつぼ型心筋症でした」と言われることがあるのはなぜですか?
A3:症状、問診、心電図のST変化、血液検査の初期数値が急性心筋梗塞と酷似しているためです。救急現場では心筋梗塞を疑って一刻も早く血管を再開通させる態勢を敷きますが、実際に造影カテーテルを挿入して冠動脈が完全に開通しており、左心室が特徴的な蛸壺状の形態を示して初めて本症と確定診断できるため、検査の前後で診断名が変わる現象が頻繁に起こります。