映画『コンフィデンスマンJP』の主題歌群や、社会現象となったアニメ『SPY×FAMILY』のオープニングテーマなど、彼らは常に巨大なタイアップの期待に応え、それ以上の成果を叩き出してきた。しかし、国民的ヒットを生み出し続けるプレッシャーは、外部が想像する以上に過酷なものだったはずだ。タイアップという明確な制約のなかで最高純度のポップスを仕立てる職人技と、自らの作家性を純粋に爆発させたいという表現者としての衝動。その狭間でバンドは常に戦い続けていた。
だが、現在のOfficial髭男dismにそうした縛りは見当たらない。大衆の期待を背負いながらも、それに迎合するのではなく、自分たちが「今、最も鳴らしたい音」をストレートに突きつける。かつての代表曲たちが証明した圧倒的なメロディセンスを武器にしながら、彼らはより自由で野心的な音響実験へと踏み出している。