日常生活で馴染み深い端数処理だが、学術的・法的な裏付けを知る機会は意外と少ない。数学の文脈における丸め処理は、連続する数値を扱いやすい形に集約するためのデータ圧縮技術の一種と言える。日本市場における取引や工業製品の仕様決定においては、日本産業規格(JIS Z 8401)によって数値の丸め方が細かく定義されている。
JISが規定する丸め処理には、一般的な四捨五入だけでなく「丸め誤差の合計を最小化する手法」も存在する。単に5で切り上げるだけのルールは、大量の数値を加算した際に全体としてプラス側に数値が偏るという数学的な欠点を持つからだ。標準化された規格が存在する理由、それは公正な商取引を守り、計測データの信頼性を担保するためである。