嵐が活動休止に至った直接の契機は、2017年6月中旬、リーダーの大野智がメンバー4人を招集し、「自分の嵐としての活動を終えたい」「一度何事にも縛られず、自由な生活をしてみたい」と胸の内を明かしたことに端を発します。当時、グループはデビュー20周年を目前に控え、ドームツアーや大型音楽特番のメインを務め続ける過密スケジュールの極致にありました。
大野はのちの特番インタビューや手記において、「何をやっても達成感よりもプレッシャーや責任が上回り、自分が自分である感覚を見失いかけていた」と吐露しています。10代半ばから約四半世紀にわたってエンタメ界の最前線を走り続け、国民的アイコンとしての重責を背負い続けたことで、深刻な心理的疲弊とアイデンティティの揺らぎが生じていたことは想像に難くありません。
ここで注目すべきは、他の4人の対応でした。誰一人として大野を責めることなく、その後1年以上にわたって幾度も膝を突き合わせて議論を重ねました。櫻井翔が「1人でも欠けたら嵐ではない。それはもう嵐のパフォーマンスとは言えない」と語った通り、メンバーの補充や4人体制での継続という選択肢は最初から排除されていたのです。結果として、大野の意向を尊重しつつ、グループの歴史に終止符を打つ「解散」ではなく、いつでも戻ってこられる母港を残す「活動休止」という着地点を全員合意で導き出しました。