多くの読者にトラウマ級の衝撃を与えた本城蓮の死亡事故は、単行本第21巻の第77話から第78話にかけて克明に描写されています。作中の時間軸としては、ナナの21歳の誕生日(3月5日)を目前に控えた3月4日の未明に発生しました。
当時、トラネスはボーカルのレイラが突如失踪し、バンド活動が暗礁に乗り上げていました。レイラが逃げ込んだ先は、レンやナナの生まれ故郷である雪深い地方都市。レンは、レイラを東京へ連れ戻す役目を担い、自らハンドルを握って故郷へと車を走らせていたのです。
レンの遺体は、損傷が激しかったものの、ギタリストの命である両手だけは無傷の状態で残されていました。衝突の瞬間、無意識に手をとっさに庇ったと推測される描写は、音楽家としての矜持と切なさを際立たせる象徴的な演出として読者の胸を打ちました。