事態が急変したのは、2026年春のことだ。かつての巨大掲示板の残党たちが集うスレッドに、ある奇妙なPDFファイルへのリンクが貼られた。そこには、当時の捜査関係者しか知り得ないはずの現場写真や、事情聴取の書き起こしとされるテキストが含まれていたのだ。
情報の真偽は定かではない。それでも、飢えたネットユーザーたちにとって、それは十分すぎるほどの「エサ」だった。瞬く間にスレッドは乱立し、サーバーが一時的に重くなるほどのアクセスが集中した。書き込みは秒単位で更新され、憶測が憶測を呼ぶスパイラルに陥っている。