劇中で見せた深い信頼関係は、カメラが止まったプライベートな時間でも変わることはなかった。萩原健一は水谷豊の卓越した演技センスと度胸を高く評価し、水谷もまた「ショーケンさん」という唯一無二の表現者を兄のように慕い続けた。長時間の撮影が終わると、ふたりはそのまま街へ繰り出し、芝居論や生き様について夜通し語り明かしたという。
時代が下り、それぞれの道を歩んでからも、ふたりの絆が途切れることはなかった。後年、萩原がこの世を去った際、水谷が見せた深い哀悼の意には、言葉では語り尽くせない歴史とリスペクトが滲み出ていた。役柄を超えた本物の人間関係があったからこそ、あの奇跡のようなバディの呼吸が生まれたのだ。