多くの来館者が驚くのが、これほど大規模な設備と体験ツアーを完全無料で利用できる点です。一般的な民間テーマパークであれば数千円規模の入場料が設定されても不思議ではないクオリティですが、そこには明確な国家戦略上の理由が存在します。
そなエリア東京が位置する東京臨海広域防災公園は、国土交通省および内閣府が整備した「国営の基幹的広域防災拠点」です。平時は一般市民向けの防災学習施設として一般開放されていますが、首都直下地震などの激甚災害が発生した瞬間、この施設は「政府の緊急災害現地対策本部」へと姿を変えます。
施設2階に位置する巨大な「オペレーションルーム」は、まさに国の災害対策の中枢となる場所です。巨大スクリーンと無数の通信機器が配置されたこの空間は、映画『シン・ゴジラ』の対策本部シーンのロケ地として使用されたことでも広く知られています。災害発生時には、国の閣僚や自衛隊、警察、消防の幹部が集結し、首都圏全体の救助・復旧活動の指揮を執る極めて重要な防衛インフラなのです。
つまり、施設の建設・維持管理は国の防災予算および都市公園事業費によって賄われており、市民への普及啓発活動自体が国土強靱化計画の一環として位置づけられています。国民一人ひとりの防災リテラシーを高め、自助・共助の力を底上げすることこそが、国の被害軽減に直結するという確固たる方針があるからこそ、入場料無料が維持されているのです。