ネット上の感想や考察では、しばしば「ニルヴァーナはMUCCらしい攻撃的でダークな曲調」と一括りに語られることがあります。しかし、それは楽曲の一側面に過ぎません。この曲が真に持つ凄みは、藤原ここあ いぬぼくの原作が辿った壮大な運命の物語を知ることで、初めて十全に理解できるようになります。
アニメ化された範囲は原作の第1章にあたりますが、物語はその後、苛烈な転生と残酷な運命に立ち向かう展開へと突入します。記憶を巡る葛藤、断ち切れない因縁、そして幾度生まれ変わっても互いを求め合う魂の純粋さ――。「ニルヴァーナ」の歌詞をフルサイズ(いぬぼく オープニング フル)で聴き込むと、単なる1クールの学園ラブコメディの枠を超え、原作のラストまでを見通したかのような壮大な叙事詩になっていることに気づかされます。
「悲しみの果てに 見つけたものは 何も変わらない君の笑顔」といった趣旨の情景描写は、転生を経てもなお変わらぬ愛の誓いそのものです。放送当時には気づけなかった伏線や暗喩が、原作完結を経た今だからこそ、涙なしには聴けない「救いの賛歌」として響いてきます。