作中で語られるストーリーの骨子は、極めてシンプルでありながら異様な不気味さとユーモアを漂わせています。語り手によって細部は微妙に変化しますが、概ね以下のような筋書きで語り始められます。
ある晴れた日の午後、語り手が道を歩いていると、向こうから赤い洗面器に水をたっぷり張り、それを頭の上に乗せた男が歩いてくる。男はこぼさないよう慎重に、しかしごく自然な足取りで進んでくる。あまりの奇妙さに耐えかねた語り手が「もしもし、あなたは何のためにそんなことをしているのですか?」と思い切って声をかける。すると男は、足を止めてゆっくりと振り返り、こう答えた――。
まさにこの「男の答え」が明かされる寸前で、電話のベルが鳴り響く、誰かが部屋に飛び込んでくる、あるいは別の事件が勃発するなど、100%の確率で強制的な中断が入ります。視聴者はもちろん、劇中で話を聞いていたキャラクターも「それで、オチは何なんですか!」と激しい消化不良に陥るのがお約束の展開です。