作者である堀越耕平は、王道を行く熱血漢とは対極に位置する相澤を、物語の精神的支柱として見事に描き切った。従来の少年漫画における指導者像といえば、圧倒的な力で敵をなぎ倒す絶対者か、破天荒な天才が主流であった。しかし相澤は違った。泥臭く自らの身体を削り、傷だらけになりながら生徒の盾となるスタイルだ。
このリアリズム溢れるヒーロー像は、集英社『週刊少年ジャンプ』の歴史にとっても画期的な変革であったと言える。完璧ではない大人が、葛藤を抱えながらも次世代のために命を張る姿。この人間臭いドラマ性が、現代の読者に強い共感と感動を与えている。