遠征組が新幹線の終電を逃してしまう最大の要因は、乗換アプリの数字と現場の物理的時間の乖離にあります。スマートフォンの経路検索が表示するのは「駅のホームから新大阪駅ホームまでの純粋な乗車時間」であり、ドームのアリーナ席から駅の改札をくぐるまでの所要時間は一切考慮されていません。
満員となった京セラドームの終演後、観客の安全確保のために必ず実施されるのがブロックごとの段階的な誘導です。このライブ後規制退場所要時間は、アリーナ前列や上段スタンド奥のエリアになると、終演アナウンスからドーム敷地外へ足を踏み出すまでに40分から最長60分程度を要します。スタッフの指示に従って整然と待機している間に、刻一刻と新幹線の発車時刻が迫ってくるのです。
さらに過酷なのがドーム出口から最寄り駅までの道のりです。5万人規模の観衆が一斉に周辺の限られた駅へ殺到するため、駅構内のキャパシティを超え、改札前どころか道路上にまで長蛇の待機列が形成されます。これが「終演から新大阪駅まで2時間近くかかった」「目の前で新幹線終電に間に合わない事態に陥った」とSNS上で悲鳴が上がる決定的なメカニズムです。