常設展の動線は、山梨の豊かな自然環境を概観するプロローグから始まり、古代から近現代に至る時間の旅へと続きます。なかでも圧巻なのが、江戸時代の甲州街道の宿場町や農村の暮らしを精密に再現したジオラマコーナーです。朝から夕暮れ、夜へと照明が移り変わり、それぞれの時間帯における庶民の会話や自然の環境音が響き渡る演出は、大人でも時間を忘れて見入ってしまう完成度を誇ります。
さらに注目すべきは、甲斐武田氏にまつわる展示群です。武田信玄の軍事的な英雄譚だけでなく、領国経営を支えた治水事業「信玄堤」や、甲州金をはじめとする経済基盤のリアリティに焦点が当てられています。政治と土木工学の結節点を可視化する展示手法は、全国の歴史愛好家から「武田氏の実像を多角的に理解できる貴重なアーカイブ」として称賛されています。
館内には実際に手で触れて仕組みを学ぶ体験型ユニットも随所に配置されています。重い荷物を背負う感覚を体験できるコーナーや、伝統工芸の構造を解き明かすギミックなど、受動的に「見る」だけでなく能動的に「参加する」仕掛けが、知的好奇心を刺激し続けます。