英語圏にもラ・フォンテーヌの寓話に由来する全く同じイディオムが存在します。
・pull someone's chestnuts out of the fire(〜のために危険を冒して栗を火から拾い出す / 〜の窮地を救うために利用される)
・cat's paw(他人の手先・手道具として利用される人)
英語の「cat's paw(猫の前足)」はまさに寓話に出てくる猫ラトンの手を指しており、「悪賢い人物に言いくるめられて危険な仕事をさせられる手先」を意味する名詞として定着しています。
なお、現代英語の日常会話では「pull the chestnuts out of the fire」が「誰かを窮地から救い出す」という肯定的なレスキューのニュアンスで使われるケースも一部で見られますが、古典的な教養表現としては「他人のための危険な使い走り」という皮肉なトーンが根底に残っています。