午前9時の開門と同時に、スタンドへとなだれ込む大勢の観客。2026年の東京競馬場は、デジタルチケットの事前予約制がすっかり定着したものの、ダービーデイ独特の熱気は何一つ変わっていない。むしろ、入場人数の規制が緩和され、海外からのインバウンド客も目立つようになった現在、場内の国際色はかつてないほど豊かだ。
午後3時40分、陸上自衛隊音楽隊による生演奏のファンファーレが響き渡ると、場内は一瞬の静寂ののち、地鳴りのような手拍子に包まれた。スタンドを覆い尽くす10万人の視線が、スタートゲートの一点に集中する。ターフを蹴る蹄の音が響き、物語の幕が上がった。