航空情報コミュニティやSNSに投稿される生の声を精査すると、搭乗者の恐怖心とコックピット内の実態には著しい温度差が存在します。
客室側からは「ジェットコースターのように数メートル落ちた」と感じる激しいエアポケットであっても、フライトレコーダーの客観記録を確認すると「実際の降下幅は数十センチから数メートル未満」に過ぎないケースがほとんどです。コックピットに座るベテラン機長の手記やインタビューでは、次のような冷静な証言が語られています。
「激しい揺れの中でも、計器類は正常であり機首の角度や推力は完璧に制御されています。パイロットが恐れているのは揺れによる機体の損傷ではなく、後方客室でシートベルトを外している乗客が怪我をすることだけです」
人間は視界が遮られ、自らの手で操作できない閉鎖空間に置かれると、わずかな加速度の変化を脳内で何倍にも誇張して解釈してしまいます。この「感覚の錯覚」が、ネット上で語られる過剰なパニック体験談の正体です。