卵を発見した際、多くの保護者が「毎日お風呂に入れていたのに、なぜうちの子が」「親の管理が悪いのではないか」と自分を責めがちです。しかし、日本臨床皮膚科医会などの専門機関が繰り返し発信している通り、アタマジラミの寄生は衛生状態や清潔さとは一切関係がありません。
SNSや保護者コミュニティでも、突然の感染に戸惑う生々しい声が日々寄せられています。
「毎日丁寧に髪を洗っていた娘の頭に白い粒がびっしり。皮膚科の先生から『シラミは水や普通のシャンプーでは流れないから、清潔にしていても頭同士がくっつけば誰でもうつるよ』と言われて救われた」(30代・保護者の投稿より)
「保育園でお昼寝マットが隣同士だったり、友達と顔を寄せてタブレット学習をしていただけで感染が広がる。不潔だからという偏見が早くなくなってほしい」(40代・保護者の投稿より)
シラミはノミのように跳んだり飛んだりすることはできず、毛から毛へと素早く這い移ることで感染します。そのため、集団生活で頭を寄せ合って遊ぶ幼児や小学校低学年の児童に感染が集中します。
見落としがちなのがアタマジラミの潜伏期間と症状のタイムラグです。最初に数匹が頭皮に侵入した直後は、ほとんど痒みを感じません。成虫が吸血する際に注入する唾液腺物質に対して体がアレルギー反応を起こすまで、約3週間〜1ヶ月の潜伏期間があります。子どもが「頭が猛烈に痒い」と訴え始めた時点では、すでに頭皮で数世代の産卵・孵化が繰り返され、卵が数十個に増殖しているケースが珍しくないのです。