事件が発生したあの日、園部小学校の校門を出た児童の足取りは、通学路の途中で唐突に途絶えた。晴れ渡った放課後の午後、友人と別れたわずか数分後のことだ。争った形跡もなければ、大声を聞いたという住民もいない。まるで空間から忽然と消え去ったかのような不自然さが、当初から指摘されていた。
現場に残されていたのは、路傍にぽつりと置かれたランドセルと、歩道に薄く残されたタイヤ痕のみ。当時、警察による大規模な山狩りや河川敷の捜索が連日実施されたものの、手がかりは決定的に不足していた。誘拐か、それとも事故なのか。事件の全貌は深い闇へと包まれ、未解決のまま時間だけが過ぎ去っていった。