『他人の関係』を語る上で外せないのが、金井克子が見せた独特の振り付けです。両手を胸の前でリズミカルに交差させ、指を鳴らすようなパントマイム風の動きは、当時の日本中に強烈なブームを巻き起こしました。
この振り付けの最大のポイントは、「笑顔を見せず、無機質に踊る」という演出意図にありました。西野バレエ団出身で抜群のプロポーションと身体能力を誇っていた金井克子だからこそ表現できたその佇まいは、官能的な歌詞とクールな視覚表現のギャップを生み出し、視聴者に強烈な違和感と中毒性を植え付けました。
感情を高らかに歌い上げる従来の歌手像を覆し、パフォーマーとして楽曲の世界観を体現したこのスタイルは、後のピンク・レディーをはじめとする「ビジュアルとダンスが一体化したJ-POP」の原点とも言える歴史的転換点でした。