指先の美しさを左右する爪のピンク色の部分は、専門用語でネイルベッド(爪床)と呼ばれます。この部分は、爪甲(爪の硬い板)の下に毛細血管が通る皮膚が密着しているため、透けてピンク色に見えています。多くの人が「爪を伸ばそう」とすると白いフリーエッジばかりが長くなり、不格好に見えてしまうのは、このネイルベッドと爪甲が密着している面積が狭いからです。
ネイルベッドを広げる鍵を握っているのが、爪の先端の裏側、爪と指の皮膚をつなぐ薄い皮であるハイポニキウム(爪下皮)です。ハイポニキウムは爪の裏側から爪甲を支え、雑菌の侵入を防ぐバリア機能を果たしながら、爪の成長とともに前方へと伸びていきます。このハイポニキウムがしっかりと育ち、爪甲の裏側に定着することで、ネイルベッドの面積が広がり、結果として爪のピンク部分が縦に長く伸びていきます。
かつては「爪の形や長さは遺伝で決まるため変わらない」と信じられていましたが、爪の育成専門家や皮膚科医の知見により、適切な保護と保湿を行えば、成人後であってもネイルベッドを再建できることが実証されています。深爪や噛み癖によって後退してしまったハイポニキウムも、物理的な刺激を排除し育つ環境を整えることで、本来あるべき位置まで再生させることが可能です。