河原町エリアの夜を語る上で、木屋町通と先斗町という2つの動脈を外すことはできない。高瀬川沿いに柳が揺れる木屋町通は、かつての学生街的な喧騒を脱ぎ捨て、洗練されたスタンドバーやクラフトビールバーが軒を連ねる大人の散策路へと変貌を遂げた。川面に反射する街灯を眺めながら傾ける一杯には、格別の情緒が宿る。
そこから東へ一本入れば、人がすれ違うのがやっとの細い路地、先斗町が姿を現す。花街としての歴史が色濃く残るこの通りでは、一見さんお断りの敷居の高さを感じさせない、気品ある大衆割烹やカジュアルな居酒屋が点在する。石畳を踏みしめる下駄の音を遠くに聞きながら、旬の刺身をつまむ時間は、京都の夜景観そのものを味わう贅沢な体験となる。