エシカルファッションとは?選ばれる理由と業界の盲点を徹底解剖

エシカルファッションとは?選ばれる理由と業界の盲点を徹底解剖

エシカルファッションとは?選ばれる理由と業界の盲点を徹底解剖についての真相をお届けします。

消費者がエシカルな選択へと舵を切った最大の転換点は、2013年4月24日にバングラデシュで起きた「ラナ・プラザ崩壊事故」です。欧米の大手ファストファッションブランドの縫製を請け負っていた8階建ての商業ビルがずさんな安全管理のもとで倒壊し、1,138名以上の労働者が命を落とし、2,500名以上が負傷するという史上最悪の大惨事となりました。

現地で働いていたのは、日給数百円という極端な低賃金で、建物の亀裂を訴えても操業を強制された若い女性たちでした。「自分たちが着ている数百円の安価なシャツは、遠い異国の労働者の命をすり減らして作られていた」という残酷な現実が世界中に生中継され、大量生産・大量消費モデルの道徳的破綻が白日の下に晒されたのです。

人権問題だけではありません。ファストファッションが引き起こす環境負荷の深刻さも、国際機関の調査によって次々と暴かれています。

綿花(コットン)の従来型栽培では、世界全体の農薬使用量の約16%が集中しており、現地の土壌汚染と農民の健康被害を引き起こしてきました。また、ポリエステルに代表される合成繊維の洗濯時には無数の微細なプラスチックファイバーが海洋へ流出します。環境省の推計資料によると、日本国内だけでも年間約47万トン前後の衣料品が廃棄され、そのうち可燃ごみ・不燃ごみとして焼却・埋め立て処分される割合は約6割以上に達します。1人あたりに換算すると年間約12枚の服を手放し、約8枚をそのまま捨てている計算です。

手に入れては数回で捨てるというサイクルに対する罪悪感と、搾取構造への加担を拒絶したいという倫理観が、特にデジタルネイティブである若い世代を中心に広がりました。服を単なる「見た目を飾る消耗品」から「生き方や価値観を表現するメディア」として再定義する動きこそが、エシカルファッションへの爆発的な支持を生み出しています。

斉藤 蓮
著者

斉藤 蓮

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。