法廷で明らかになった犯行に至る動機と理由は、あまりにも短絡的で独占欲に根ざした人間関係の摩擦でした。八木原被告と長谷さんは、事件の約1カ月ほど前から交際を開始。しかし、道外への就職を視野に入れていた長谷さんは、2024年10月25日の夜、JR大麻駅近くにある八木原被告の自宅アパートを訪れ、「1年後に別れるつもりだから」と将来を見据えた別れ話を切り出しました。
この言葉に強い不満と憤りを抱いた八木原被告は、同じアルバイト先で親しい友人関係にあった川村葉音被告にSNSを通じて連絡。「別れ話をされた」「納得がいかない」という相談を持ちかけました。しかし、この相談を受けた川村被告が交際相手の川口侑斗被告や地元の少年たちを巻き込み、事態は歯止めの利かない暴力劇へと暗転していきます。
公判の証言によれば、八木原被告の自宅周辺に集まったグループは、長谷さんを車に乗せて深夜の文京台南町公園へと連れ出しました。八木原被告自身の生い立ちや経歴を振り返ると、周囲に同調しやすく他者に依存しやすいパーソナリティが指摘されており、友人が暴走していく過程で自らブレーキをかけるどころか、その場の空気に呑まれて被害者を追い詰める側に回り続けた実態が浮き彫りになっています。