路上でしばしば囁かれる「高齢者マークを貼らずに運転すると反則金を取られる」という噂。これは法的な事実と真っ向から矛盾する俗説にすぎない。
結論から言えば、70歳以上であれ75歳以上であれ、標識を貼らずに運転したとしても道路交通法上の罰則や行政処分の対象にはならない。違反点数の加算もなければ、反則金の納付通知書を切られることもないのだ。
警察庁関係者は取材に対し、「一時期、75歳以上の完全義務化と不表示に対する罰則の導入が国会で議論され、法改正案に盛り込まれた経緯があった。しかし、当事者層からの猛反発や社会的な議論百出を受け、罰則規定の施行は凍結され、現行の努力義務にとどまっている」と明かす。運転免許センターでの更新時講習でも積極的な活用が呼びかけられているものの、法的なペナルティが存在しない事実が、かえってドライバーごとの判断のバラつきを生む要因となっている。