現在、単身世帯の増加と高齢化に伴い、事故物件化の要因として最も急増しているのが孤独死です。発見が数週間から数か月遅れた現場の凄惨さは、一般の清掃業者が立ち入れない領域に達します。ここで投入されるのが、現場を原状回復させる特殊清掃の専門業者です。
特殊清掃の現場では、遺体から滲み出た体液や脂が畳やフローリングを通り越し、床下の基礎コンクリートまで深く浸透している例が珍しくありません。強烈な腐敗臭は壁紙の裏や石膏ボードにまで染みつくため、薬剤噴霧やオゾン脱臭機を用いた消臭作業を何重にも施し、床材を根底から剥がして解体する大規模な工事を余儀なくされます。
写真に写る「綺麗に張り替えられた床」の真下には、こうした壮絶な作業の歴史が眠っています。どれほど入念に特殊清掃を行っても、夏場の湿気や気温上昇によって微かな臭気がぶり返すトラブルも報告されており、表面的な美観だけで部屋の安全性を判断することの危うさを物語っています。