大宮の珈琲シーンを語る上で、駅直結の商業施設「ルミネ大宮」の存在は見逃せない。電車の発着音を遠くに聞きながら、世界水準の一杯を気軽に味わえるスポットとして連日賑わいを見せている。茨城発の雄として知られる株式会社サザコーヒーの店舗では、自社農園で育まれた希少なパナマ・ゲイシャが惜しげもなく振る舞われ、通過点に過ぎなかった駅コンコースを豊かな香りで満たす。
さらに近年、世界最高峰の抽出技術を競う「ワールド・ブリューワーズ・カップ」でアジア人初の世界チャンピオンに輝いた粕谷哲氏が提唱する「4:6メソッド」などの理論が浸透したことで、大宮界隈でもスペシャルティコーヒーに対する解像度が飛躍的に上がった。産地ごとのテロワールや精製プロセスの違いをバリスタと語り合う光景は、もはや日常の一部だ。豆の個性を極限まで引き出す浅煎りのフルーティーな酸味から、深煎りの重厚なコクまで、選ぶ楽しみがここにはある。