シネコン各館の動員状況や主要レビューコミュニティ(Filmarks、映画.com、SNS上のリアルタイム投稿)を調査すると、観客が劇場に足を運ぶ動機に明確な変化が見られます。単に「暇つぶし」として映画を観るのではなく、「映画館でしか味わえない感情体験」を求めて座席を予約する傾向がより強まっています。
都内主要劇場の現場取材では、20代〜30代のカップルだけでなく、40代〜60代の単身鑑賞者が平日昼間やレイトショーに多数訪れている姿が確認できました。『白鳥とコウモリ』の鑑賞後、目頭を押さえながらロビーに出てきた40代女性は、「登場人物それぞれの正義が痛いほど伝わってきて、映画館を出た後もしばらく現実に戻れなかった」と興奮気味に語っています。
また、アニメーション作品においても、制作陣の徹底したこだわりが観客の熱量を支えています。『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 〈ワルプルギスの廻天〉』の舞台挨拶報道において監督が言及した「一コマ一コマに登場人物の感情の機微を刻み込んだ」という言葉の通り、劇場の暗闇で視界全体をスクリーンに支配されることで、自宅のモニターでは決して得られない共鳴体験が生まれています。