すべてが絶望的に見えた中、潮目が変わったのは法廷での綿密な証言検証だった。原告側の主張に挟み込まれた不自然な矛盾、目撃者とされる同級生たちの証言の食い違い。弁護側が一つひとつ事実を解き明かしていくにつれ、メディアが作り上げた「鬼教師」の像はもろくも崩れ去った。
児童の体に残っていたとされる「傷」や「症状」も、事象の因果関係が成り立たないことが医学的に証明された。事実無根の言いがかり――つまり完全なる「捏造」だったのだ。裁判所は最終的に、教諭に対する名誉毀損と事実の捏造を認め、原告側に厳しい賠償を命じた。しかし、失われた歳月と破壊された人生は、いくら金銭を積んでも元には戻らない。