名作映画『アラビアのロレンス』の舞台となったオスマン帝国末期のアラブ反乱旗(黒・緑・白・赤)以来、色彩は常に政治的プロパガンダの最前線に立ってきた。国際旗章学協会連盟(FIAV)に集う旗章学の研究者たちは、旗の変遷を記録することで国際秩序の地殻変動を読み解いている。
地政学・国際関係学の視点から見れば、国旗の変更や細部の修正は、同盟関係の再編や国内体制の転換を示す重要な指標だ。国際連合本部前のポールに掲げられる旗の一本一本には、主権国家としての正統性を巡る激しい外交戦が刻まれている。
他国と似た旗を掲げ続けることは、共通の連帯意識を示す戦略であると同時に、個別国家としての主権をどう主張するかというジレンマをも孕んでいるのだ。