挫折を経た彼が自らの表現の場として立ち上げたのが、演劇ユニット「劇団ちからわざ」だ。自身で脚本・演出を手掛け、小劇場を中心に密度の高い作品を発表し始めた。大手プロダクションの後押しもない中、自らの手でチケットを売り、舞台装置を運び、手探りで公演を重ねる日々。この時期に培われた「客席の空気を一瞬で察知するライブ感」こそが、後の彼のアドリブ演技のルーツとなる。
劇団活動を通じてじわじわと業界内での評価を高めていった佐藤は、やがて大手芸能プロダクション「フロム・ファーストプロダクション」に所属することになる。実力派俳優を数多く擁する同事務所への加入は、彼のキャリアにとって極めて大きな転機となった。映像作品への出演機会が一気に増え、個性が群を抜くバイプレイヤーとしての露出が加速していく。