映画『天気の子』の英語タイトルとして発表された「Weathering with You」というフレーズ。学校教育の英語では名詞の「天気・天候(weather)」として覚えることが一般的ですが、英語圏の観客にとって、この単語が動詞として使われた際の響きは極めてドラマチックです。
英語の動詞「weather」には、「嵐や風雨に耐える」「困難や危機を乗り越える・切り抜ける」という意味が存在します。航海用語として「暴風雨を無事に通過する(weather the storm)」という慣用表現があるように、外からの過酷な圧力にじっと耐え、傷を負いながらも生きて突破するニュアンスを帯びているのです。
つまり、「Weathering with You」を直訳調で読み解くならば、単なる「あなたと天気を経験する」にとどまりません。「どんな理不尽な嵐が世界を襲おうとも、あなたと共に生き抜く」「困難をあなたと一緒に乗り越える」という、主人公・森嶋帆高の覚悟そのものを指し示しています。日本語タイトルの持つ瑞々しいジュブナイル感とは対照的に、英題は作品の根底に流れるサバイバル精神と運命への抵抗をダイレクトに言語化しています。