サッカーのアンカーとは?ボランチとの違いと遠藤航に見る現代戦術の真髄

サッカーのアンカーとは?ボランチとの違いと遠藤航に見る現代戦術の真髄

サッカーのアンカーとは?ボランチとの違いと遠藤航に見る現代戦術の真髄の詳細について、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。

ネット上のサッカー掲示板やSNSでは、「アンカーは当たりが強くて走れれば務まる」「守備専門の選手だからパスは後ろに戻すだけでいい」といった誤解が散見されます。しかし、近年のハイプレス戦術が普及したピッチにおいて、その認識は完全に過去のものです。

現代の現代サッカー戦術解説で指摘されている通り、アンカーこそがチーム内で最も激しいプレッシャーに晒されるターゲットになります。相手チームは守備時、まずアンカーに自由を与えないようトップ下やFWをマンマーク気味に配置してパスコースを塞ぎに来ます。ここでボールを奪われれば、背後にはセンターバックしかおらず、即座に失点危機へ直結するためです。

そのため、アンカーが「相手を背負った状態でボールを失わずにターンできるか」「マークを引きつけて両脇のインサイドハーフをフリーにできるか」がビルドアップ成否の分水嶺となります。球際で競り勝つだけの荒削りな潰し屋をアンカーに据えたチームは、相手のハイプレスに嵌められて自陣から脱出できなくなるのが冷酷な現実です。

さらに、4-3-3を採用するチームにおいて最大の構造的弱点となるのが「アンカーの左右の広大なスペース(アンカー脇)」です。インサイドハーフが前にプレスを掛けた際、相手のサイドハーフやボランチがその脇のスペースに入り込んできます。アンカーが横に釣り出されれば中央に大穴が開き、中央に留まり続ければ脇から前進を許すというジレンマに直面します。この難題を「味方サイドバックを絞らせるコーチング」や「あえて中央のコースを消しながら外へ誘導する誘導守備」で解決できる頭脳がなければ、現代のピッチでアンカーを務めることは不可能です。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。