旧三井家下鴨別邸における最大の建築的特徴が、主屋の屋根から突き出るようにそびえる3階の望楼です。四方に大きなガラス窓が張り巡らされたこの空間は、東山三十六峰や大文字山、比叡山を一望できる贅沢な展望室として設計されました。
通常は保全のため非公開ですが、春の新緑や秋の紅葉シーズンに実施される特別公開の期間中は限定で見学が可能です。望楼から見渡す鴨川のせせらぎと糺の森(ただすのもり)の木々は、かつての豪商たちが愛したプライベートな絶景そのもの。室内の細部に目を向けると、当時の職人技が光る歪みのある手吹きガラスや、上質な杉丸太を用いた天井など、さりげない贅沢が随所に散りばめられています。