クリスマス・イブの夜、Googleの特設サイト「サンタを追いかけよう」にアクセスすると、真っ赤なコスチュームに身を包んだサンタクロースが、トナカイたちと共に地球上を猛スピードで移動する姿が3Dアニメーションで描かれます。「サンタ今どこリアルタイム」という検索クエリが急上昇するこの瞬間、画面には現在の訪問国、次に目指す都市、これまでに配り終えたプレゼントの総数、そして現在地から閲覧者の自宅までの距離がミリ秒単位で更新され続けます。
サンタ出発時間理由について、公式配信のタイムテーブルを精査すると明確な物理的根拠が存在します。サンタが北極の工房(エルフの村)を飛び立つのは、協定世界時(UTC)12月24日10時、日本時間で同日19時00分です。この時刻に設定されているのは、地球上で最も早く日付が変わる日付変更線付近の地域――キリバス共和国やトンガ、ニュージーランドのチャタム諸島――が日没を迎え、子どもたちが眠りにつく時間帯に正確に合わせているためです。
飛行ルートの真相は、決してランダムな気まぐれではありません。地球の自転に逆らうように東から西へとタイムゾーン(時差)を1時間ずつ遡りながら飛行する精密なルート設計が敷かれています。南太平洋諸国を出発したソリは、オーストラリア、アジア、中東、アフリカ、ヨーロッパ、中南米を経て、最後に北米大陸へと到達します。総移動距離は約5億1000万km、訪問軒数は数十億軒に達し、1軒あたりの滞在時間はわずか数千分の一秒という神業のようなスケジュールで世界を一周します。