日本において、額を潔く出したショートヘアの凛々しさを語る上で、天海祐希の存在感は外せない。宝塚時代から現代のドラマに至るまで、彼女が一貫して放ってきた媚びのない知性と爽快な佇まいは、時代が「ジェンダーレス」という言葉を獲得する遥か以前から、ひとつの完成された美の規範だった。
今、そのクラシックな潔さが再評価されている。マスキュリンな仕立てのテーラードジャケットに、あえてラフなハンサムショートを合わせる。媚びない強さの中に、ふとした瞬間の柔らかさが際立つ。ジェンダーの枠組みにとらわれず、自分自身の骨格とパーソナリティを肯定する手段として、前髪を上げる行為そのものが意思表示になっているのだ。