歌が劇的に化けるこぶしの出し方|ビブラートとの違いとカラオケ加点術

歌が劇的に化けるこぶしの出し方|ビブラートとの違いとカラオケ加点術

歌が劇的に化けるこぶしの出し方|ビブラートとの違いとカラオケ加点術にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。

「こぶし」と一口に言っても、昭和・平成の演歌・歌謡曲で求められるものと、令和のヒットチャートを席巻するJ-POPや洋楽R&Bで使われる技術とでは、音の着地方法と美学が大きく異なります。

演歌こぶしの回し方:粘りと共鳴を活かした重厚な節回し

演歌におけるこぶしの極意は、「胸腔共鳴(チェストボイス)」の重みと、音を意図的に引きずるような「粘り」にあります。石川さゆりや美空ひばりの歌唱に代表されるように、本来のメロディに対して下から上へ深く巻き込むように喉頭を操作します。喉仏をやや低めに保った太い響きから、一気に喉の奥を締めることなく上顎の奥(軟口蓋)へ響きを跳ね上げるのが特徴です。哀愁や情念を倍増させるため、音の滞空時間をポップスよりもわずかに長め(約0.2〜0.3秒)に取り、波の引き際のような余韻を残します。

ポップスこぶし歌い方:ライトで直線的な装飾音符とメリスマ

一方、宇多田ヒカル、藤井風、King Gnuの井口理、あるいは海外のAriana GrandeやBruno Marsに代表されるポップス・R&Bのアプローチは、極めて軽やかでスタイリッシュです。ここでは「演歌的な重たいこぶし」は禁忌とされ、裏声と地声を滑らかに連結させた「メリスマ(Melisma)」や「ボーカルラン(Vocal Runs)」と呼ばれる装飾音符の連続技が用いられます。

ポップスのこぶしは、喉仏の位置をニュートラルからやや高めにキープし、息の量を多く含んだ「ウィスパーボイス」や「ミックスボイス」の延長線上で発動します。音を粘らせず、ガラス細工のように繊細かつ直線的にピッチを「ト・ト・トン」とステップさせることが、垢抜けた印象を与える秘訣です。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。