家庭から出る発泡スチロール(発泡ポリスチレン:EPS)の処分において、最も混乱を招いているのが可燃ごみ不燃ごみ分別基準の地域格差です。原則として、商品を入れた容器や包装に使われていた発泡スチロールにはプラスチック製容器包装(プラマーク)が付与されており、資源ごみとして回収する自治体が増加しています。しかし、地域によっては最新の高熱焼却炉を導入している関係から、サーマルリサイクル(熱回収)を前提に「可燃ごみ」として回収する自治体も少なくありません。
分別の可否を左右する最大の境界線は「油分や生臭さなどの汚れが水洗いで完全に落ちるかどうか」です。資源循環推進の現場担当者によると、リサイクル工程に送られるプラスチック資源の中に生鮮食品のドリップや油が付着したものが混入すると、ロット全体が再生不能となり産業廃棄物として焼却処分へ回される事態が発生します。そのため、水で軽くすすいでも臭いや油膜が残るものは、プラマークの有無にかかわらず「可燃ごみ(または不燃ごみ)」として出すことが全国共通の鉄則となっています。
主要都市の自治体別ごみ出しルール一覧を比較すると、その方針の違いが鮮明に浮かび上がります。
- 東京都23区:サーマルリサイクル方針により、大半の区で「可燃ごみ」として回収(一部で資源プラスチック回収を実施)。
- 横浜市:汚れのないプラマーク付きは「プラスチック製容器包装」、プラマークなし・汚れありは「燃やすごみ」。
- 大阪市:プラマーク付きは「容器包装プラスチック」、家電緩衝材など製品そのものは「普通ごみ」。
- 名古屋市:プラマーク付きは「可燃ごみ」ではなく「プラスチック製ごみ」、汚れが落ちないものは「可燃ごみ」。