日本の芸能界において、田村正和ほど「ミステリアスなスター」であり続けた俳優は他にいない。バラエティ番組への露出を極力控え、プライベートの私生活を一切明かさないスタイルは、現代のSNS時代とは真逆の圧倒的なカリスマ性を放っていた。だからこそ、画面の向こうに彼が現れた瞬間、視聴者は物語の世界へと一気に引き込まれた。
二枚目のスター俳優としての佇まいを崩さず、なおかつ劇中で見せる卓越した間とコミカルな表現力。彼が残した演技メソッドやたたずまいは、次世代の若手俳優たちにとっても大きな指針となり続けている。テレビが茶の間の中心であった時代、彼が放った眩い光は今なお色あせることがない。