この変化を加速させた最大の引き金は、国際市場における貴金属価格の乱高下にある。金銀パラジウム合金の主原料であるパラジウムは、産出国の情勢や排ガス触媒需要の変動に直結して価格が暴騰を繰り返してきた。この原材料費の変動は、歯科医療産業全体に深刻な打撃を与えた。
日本歯科医師会をはじめとする専門家団体からも、価格変動に極めて脆弱な金属依存からの脱却を求める声が強く上がっていた。金属を削り、鋳造する歯科技工士の高齢化や労働環境の課題も重なる。産業としての持続可能性を保つためにも、デジタル設計とプラスチック系ブロックを組み合わせた省力化・安定化技術への移行は、医療界にとって避けて通れない必然のルートだった。