日本の最高位「正一位」の謎!稲荷神社の理由と生前授与の真相に迫る

日本の最高位「正一位」の謎!稲荷神社の理由と生前授与の真相に迫る

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日本の歴史や神仏文化に触れる際、必ず突き当たるのが正一位の読み方と意味です。読み方は「しょういちい」であり、「せいいちい」ではありません。大宝元年(701年)の「大宝律令」およびその後の「養老律令」によって整備された「位階制度」における最高位(第1位)を指します。

日本の位階制度は、正一位から少初位下(しょうそいのげ)まで全30階層に細分化されていました。その頂点である正一位は、国家の最高政務を司る「太政大臣(だいじょうだいじん)」の相当位とされましたが、実際の運用において生前に授けられることは極めて稀でした。律令国家において正一位とは、実質的な役職の序列を超えた「国家秩序の神聖なる極位」として設計されていたのです。

さらに日本固有の興味深い仕組みが、人間に与えられる「位階」と、神社や神々に授けられる「神階(しんかい)」という神階と位階の制度仕組みの連動です。古代朝廷は、国家の安寧や天変地異の鎮撫を祈願する対象である神々に対しても位階を授与しました。霊験あらたかな神仏功労を朝廷が査定し、神位を昇叙させていくシステムです。この制度によって、人間界の権力構造と信仰界の神々が同一のヒエラルキーのもとに統合されました。

ここで重要なのが、正一位と従一位の違いです。官僚機構の現実的な運用において、人臣(皇族以外の臣下)が生前に到達できる実質的な最高到達点は「従一位(じゅいちい)」でした。関白や太政大臣を務めた歴代の名臣たちでさえ、生前は従一位に留まるのが通例でした。従一位が「人間社会における最高権力者の到達点」であるのに対し、正一位は「現世の枠組みを超越した聖域」あるいは「死後に神格化された存在への最終昇叙」という意味合いを強く帯びていたのです。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。