かつては日本全国の日当たりの良い草原や河川敷の土手などで普通に見られた在来のオキナグサですが、現在は野外でその姿を見かける機会が極めて稀になっています。環境省のレッドデータブックにおいて、オキナグサは絶滅危惧II類(VU)に指定されています。
野生のオキナグサが激減した背景には、主に2つの理由が存在します。
1. 生育環境(里山や草地)の喪失と遷移:
オキナグサは背丈が低く、直射日光を好む植物です。かつては定期的な草刈りや野焼きによって維持されていた草原が、里山の荒廃や開発によって激減しました。手入れがされなくなった草地ではススキなどの大型植物や低木が茂り、日光を遮られたオキナグサが淘汰されてしまったのです。
2. 園芸目的による乱獲(盗掘):
花と綿毛の美しさから山野草愛好家の間で高い人気を博した結果、自生地からの心ない掘り採りが横行し、各地の群落が壊滅的な被害を受けました。現在、各地の保護団体や自治体によって保全活動が進められていますが、自生地の環境復元には依然として多くの課題が残されています。