歴代受賞作品一覧や全国規模のコンクールで文部科学大臣賞作品に選出された傑作を分析すると、ある明確な3つの法則が浮かび上がります。
第1の共通点は、「動機の純粋さと個別具体的なターゲット」です。例えば、過去に高い評価を受けた「握力の弱い祖母のための点眼補助具」や「雨の日に傘をたたむ際、手が濡れないワンタッチカバー」のように、身近な家族や自分自身の切実な悩みが原点になっています。「世界を救う装置」といった抽象的なテーマではなく、「目の前の1人を笑顔にする仕組み」こそが、審査員の共感を呼びます。
第2の共通点は、「試行錯誤(プロトタイプ)の記録」です。1回で作った完成品ではなく、「1号機を作ったがここが壊れた」「2号機で角度を15度変えたら成功した」という失敗の履歴が作品説明書に克明に記されています。審査員は完成したプロダクトだけでなく、課題に立ち向かった探究の厚みを審査基準評価ポイントの筆頭に置いています。
第3の共通点は、「材料の選び方と安全性」です。特別な精密パーツではなく、100円ショップで手に入る日用品や牛乳パック、輪ゴム、段ボールなどを巧みに組み合わせ、誰でも安全に使える設計がなされています。身近な廃材の特性(弾力性、防水性、軽さ)を理解して適材適所に使っている作品は、技術的にも極めて高い評価を獲得します。