かつて「実現まであと50年、それは永遠にあと50年だ」と揶揄された核融合ですが、2026年現在、開発スピードは劇的な加速を見せています。フランス南部カダラッシュで日本、EU、アメリカ、中国、韓国、ロシア、インドの7極が建設を進めるITER(国際熱核融合実験炉)は、入力エネルギーの10倍の熱出力を目指す最終組み立て段階に入っており、実証に向けた国際的なデータ収集が着実に進展しています。
さらに現在、核融合開発の主役は国家主導の大規模プロジェクトから、民間スタートアップへと大きくシフトしています。米国や英国、そして日本国内でも京都フュージョニアリングをはじめとする有力ベンチャーが台頭し、高温超伝導(HTS)テープを用いた強力な小型磁場コイルや、レーザー核融合方式の技術革新によって装置の小型化・低コスト化が進んでいます。
業界の現実的なロードマップとして、2030年代前半に発電実証(Q>1のネット電力創出)を達成し、2040年代前半には商用電力網へ接続された実用炉の稼働が現実的なターゲットとして掲げられています。数十兆円規模の民間投資マネーが流入したことで、実用化のタイムラインはかつての想定より10年以上前倒しされています。