夏目雅子さんの短くも情熱的な生涯を語る上で欠かせないのが、後に直木賞作家となる伊集院静氏との存在です。
ふたりの馴れ初めは、夏目さんがまだ駆け出しの女優だった時代に遡ります。CM撮影の現場で出会ったふたりは、約7年におよぶ長い交際期間を経て、1984年8月に入籍を果たしました。世間の注目を集めた結婚生活でしたが、平穏な日々はわずか半年で病魔によって引き裂かれることになります。
入院中、伊集院氏は仕事を極力セーブし、連日病室に泊まり込んで献身的な看病を続けました。無菌室のガラス越しに励まし合い、手を握り続けたふたりの絆は、過酷な闘病を支える最大の心の拠り所でした。夏目さんの早すぎる別れは伊集院氏の心に深い傷を残しましたが、後に作家として本格的に筆を執り、珠玉の文学作品を生み出す原動力となっていきました。