フィンランドの冬において、単に分厚いコートを1着羽織るだけの防寒対策は通用しない。外気はマイナス20度やマイナス30度に達する一方で、暖房が効いた室内や公共交通機関の中は20度前後に保たれており、寒暖差は実に50度近くにもなるからだ。ここで威力を発揮するのが、綿密に計算された「レイヤリング(重ね着)」のテクニックだ。
ベースレイヤー(肌着)には、汗冷えを防ぐ高い吸湿発熱性が求められる。日本でおなじみのヒートテックも重宝するが、氷点下が続く屋外での長時間の滞在には、メリノウール素材のインナーを重ねるのが賢明だ。ミドルレイヤーには保温性と通気性を兼ね備えたフリースやウールセーターを選び、アウターには防風・防水性に優れた高品質なダウンジャケットを重ねる。この「3層構造」を意識するだけで、体温調節は劇的にスムーズになる。