この衝撃のバックボーンを紐解くうえで欠かせないのが、花山薫の高校生活を描いた大人気スピンオフ作品『バキ外伝 創面』だ。本編では見られない10代の日常や、学園生活における周囲との距離感が繊細かつコミカルに描写されている。
組長としての顔と、制服に身を包む女子生徒や同級生たちと同じ空間を共有する「普通の高校生」としての顔。この二面性こそが、板垣恵介イズムを継承する作品群の真骨頂と言える。裏社会のカリスマとして恐れられる一方で、どこか不器用で優しさを秘めた彼の言動は、周囲の人間を惹きつけてやまない。作中で描かれたキスシーンやロマンスを予感させる描写の背景には、彼が背負う凄惨な宿命と、等身大の青春との強烈なコントラストが隠されているのだ。