1975年、アサヒビールの初代CMガールとして日本に上陸した彼女の登場は、まさにポップカルチャーの地殻変動だった。それまでの日本の芸能界には存在しなかった健康的なセクシーさと、気取らない人懐っこさ。ポスターが街中に貼られるやいなや盗難が相次ぐほどの現象となり、雑誌の表紙を飾れば即完売という伝説を次々と打ち立てた。
当時の少年たちが部屋の壁に彼女のポスターを貼り、大人たちがラジオの声に耳を傾けたあのフィーバー。短期間の活動でありながら、アグネス・ラムという存在は一時期の流行を超え、日本人の集団的記憶に深く刻み込まれることとなった。