本作の完成度を決定づけたのは、当代きっての実力派キャスト陣と、人間ドラマの名手として名高い制作陣のタッグです。
明るく情に厚い兄・洋太郎を演じたのは妻夫木聡。日焼けした肌と屈託のない笑顔、そして沖縄の方言を徹底的にマスターした自然な演技は、観客を強く感情移入させました。一方、妹・カオル役の長澤まさみは、無邪気な少女から大人の女性へと成長し、兄への思慕に揺れる繊細な心情を透明感あふれる佇まいで体現。第30回日本アカデミー賞において、両名はそれぞれ優秀主演男優賞、優秀主演女優賞を受賞しました。
さらに、洋太郎の恋人役を演じた麻生久美子、母親役の小泉今日子をはじめ、塚本高史、中村達也など実力派バイプレイヤーが集結。監督を務めたのは、『いま、会いにゆきます』や後に『花束みたいな恋をした』を手掛けたヒューマンドラマの巨匠・土井裕泰監督です。土井監督ならではの情緒的な映像美と心情描写が、物語に深い説得力を与えています。